営業代行の検討を始めた会社から、最初にいただく質問の多くは「費用はいくらか」「何件くらい取れるのか」です。しかしその前に、自社の側で整理しておくと結果が大きく変わる数字が3つあります。営業代行を提供する立場だからこそ、発注前のこの整理をおすすめしています。
3つの数字——行動量・転換率・受注単価
営業の売上は、突き詰めればシンプルな掛け算でできています。売上=行動量×転換率×受注単価。この3つの数字の定義から確認します。
- 行動量。一定期間に、何件の見込み客に接触しているか。架電数、訪問数、送付数など、営業活動の入口の量です。ここが測れていない組織は、実は少なくありません。
- 転換率。接触した相手のうち、何割が次の段階——アポイント、商談、受注——に進んでいるか。工程ごとに分けて見ると、営業のどこが強く、どこで漏れているかが分かります。
- 受注単価。1件の受注あたりの平均金額。単価が見えていると、「あと何件必要か」という逆算ができるようになり、営業目標が行動の言葉に翻訳できます。
なぜ、発注前に見ておくべきなのか
正直に言えば、この3つの数字がなくても営業代行への依頼はできます。実際、「数字は分からないが、とにかく売上を増やしたい」というご相談は多く、それ自体は自然なことです。
問題は依頼した後に起きます。数字の出発点がないと、成果が出たのか出ていないのか、判定する基準そのものが曖昧になるのです。代行会社が月50件の商談を作ったとして、それは多いのか少ないのか。受注が3件だったとして、自社でやっていた頃と比べて良いのか悪いのか。比較の物差しがなければ、評価は「なんとなくの印象」に流れます。うまくいっていても確信が持てず、うまくいっていなくても問題の在り処が特定できない。これは発注側にとっても、誠実にやっている代行側にとっても、不幸な状態です。
逆に、粗くても現状の数字があれば、「行動量を外部で補うのか」「転換率を上げる工程改善を頼むのか」という依頼の中身そのものが明確になります。同じ予算でも、打ち手の精度がまったく変わります。

依頼先を見極める質問としても使える
この3つの数字は、依頼先を選ぶ場面でも役に立ちます。候補の会社に、こう聞いてみてください。「御社は、何の数字を、どの頻度で報告してくれますか」。
この一問への答え方で、その会社の仕事の質はかなり見えます。確認したい観点は、たとえば次のようなものです。
- 報告される数字が、受注数だけでなく行動量と工程ごとの転換率まで分解されているか。結果だけの報告は、途中で手を打てません。
- うまくいかなかった期間の数字も、同じ精度で開示される前提になっているか。
- 数字をもとにした改善の打ち合わせが、契約に組み込まれているか。報告して終わりでは、数字は活きません。
プロセスの数字を出せるということは、プロセスを設計して動いているということです。逆に、結果の数字しか約束しない会社は、途中経過がブラックボックスになりがちです。
私たち自身も、この3つで報告します
ここまで書いてきた基準は、そのまま私たち自身に返ってくるものです。C-Creationは営業代行をお受けするとき、行動量・転換率・受注単価の3つを軸に現状を一緒に整理し、同じ3つの数字で経過を報告します。数字で語ることは、外部パートナーが負うべき最低限の誠実さだと考えているからです。
発注前の数字の整理は、それ自体が営業組織の健康診断になります。どこに頼むかを決める前に、まず自社の3つの数字を眺めてみる。その30分が、外部支援の成果を左右します。
この記事は、株式会社C-Creationの営業現場での実務経験にもとづく一般論です。個別の状況に応じたご相談は、お問い合わせフォームよりお寄せください。
